Nature 自然 · 2021/03/15
 3月も半ばとなり、日照時間が日に日に伸びていきます。まだまだ雪の季節は続きますが、日なたではだいぶ雪が解けるようになり、次第に春めいて来るのを感じます。こちらでは春の最初の代表選手はミヤコドリです。ミヤコドリが国鳥であるフェロー諸島では、3月12日にミヤコドリの到来をお祝いするとか。北ノルウェーでもすでにミヤコドリがやって来たと、各地から報告が始まりました(水辺で休むミヤコドリ。嘴を背中にのせて片足立ちで寝ています)。  鳥の多くは、太陽が水平線の下へ隠れてしまう頃には南へと渡っていきますが、ウミウやホンケワタガモなど、暗い冬でもノルウェー北部に留まっている鳥もいます。街中ではカササギやカラスは年間を通して見かけますが、スズメ

Nature 自然 · 2021/03/05
 極光と呼ばれるオーロラは、白夜・極夜と並んで典型的な極地の自然現象です。夜空いっぱいに舞う光の襞は幻想的であり、宇宙の神秘を身近に感じる冬の一つの愉しみとも言えます。オーロラには、雲のようなぼやっとしたものからカーテン状に光が激しく動くもの、天空から光が差し込むようなものなど、色も形も様々です。

2月に入ってようやく冬らしい気候となりました。連日の雪で除雪車はフル稼働、明るい時間も少しずつ伸びてきて、野外での活動時間も増えました。いよいよスキーシーズンの到来です。

 日本のNHKに相当するノルウェーのテレビ局、NRKで1月、ドリアン助川原作の「あん」が放送されました。元ハンセン病患者の徳江を樹木希林が、どら焼きの雇われ店長である千太郎を永瀬正敏が演じており、元ハンセン病患者への差別問題を含め、生きることの意味を問題提起した作品です。...

Ethnos 民族 · 2021/02/02
 多様な民族が存在する北極圏。その中で、スカンジナビア半島北部からコラ半島に至る地域に居住している先住民がサーメ(samer)です。彼らの住んでいる地域は彼らの言葉で Sápmi(サプミ—>...

 全世界で温暖化による影響が深刻になりつつ中、ノルウェーでも近年、洪水や雪崩・土砂崩れが多数発生しています。年末には南ノルウェーで住宅地の地盤がいきなり崩れて数件が土砂の中に消え、未だに行方不明者が見つかっていません。南部では軒並み氷点下が続く中、北ノルウェーでは、今年は1月になっても雪らしい雪がまるで降らず、3〜4℃という異常な暖かさが続いていました。過去20年ほどを振り返ってみても、クリスマスに北ノルウェーで雪がないという年は何回かありましたが、年が明けてからも雪が降らないことは珍しいことです。

Nature 自然 · 2021/01/20
 北極圏に住んでいると言うと、「寒いところで大変ですね」とよく言われます。昔、ノルウェー本土からさらに10°ほど北にある、スバールバル諸島のロングイヤービューエンという町に住んでいたことがありました。そこはバナナで釘が打てるほどの極寒の地で、ある冬の日、今日はなんか暖かいなと思って温度計を見たら10℃(氷点下)だったことを覚えています。人間は気温には案外簡単に適応できるもののようで、寒さが辛いと感じることはありません。

 ストールフィヨルドの市役所、学校、診療所、警察など、市の公共機関のある集落は全てフィヨルドの東側にあります。石ノ谷集落はフィヨルドの西側にあり、地元の人はリュンゲンフィヨルドの西側地域をそのまま ”西側” と呼んでいます。ストールフィヨルドには数年前までは番地がなく、郵便物の届け先は、”カワウソ郷、太陽岬” とか...


Nature 自然 · 2021/01/01
新年明けましておめでとうございます。...