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春の訪れ・・・鳥

 3月も半ばとなり、日照時間が日に日に伸びていきます。まだまだ雪の季節は続きますが、日なたではだいぶ雪が解けるようになり、次第に春めいて来るのを感じます。こちらでは春の最初の代表選手はミヤコドリです。ミヤコドリが国鳥であるフェロー諸島では、3月12日にミヤコドリの到来をお祝いするとか。北ノルウェーでもすでにミヤコドリがやって来たと、各地から報告が始まりました(水辺で休むミヤコドリ。嘴を背中にのせて片足立ちで寝ています)。

 鳥の多くは、太陽が水平線の下へ隠れてしまう頃には南へと渡っていきますが、ウミウやホンケワタガモなど、暗い冬でもノルウェー北部に留まっている鳥もいます。街中ではカササギやカラスは年間を通して見かけますが、スズメ

などの小鳥はグッと数が減ります。郊外では、大きなものではライチョウ、ワタリガラスやオジロワシ、小鳥ではシジュウカラやウソなどは冬でも見かけることが多く、太陽が戻ってくる頃にはカワラヒワやマヒワも餌台によく集まって来ます。2月ごろからはウミアイサなどのカモ類も静かなフィヨルドの水面に時折見られるようになります。3月になると外洋に面した海辺にミヤコドリが戻り、さらにカモメやウミネコたちが戻ってくると、水辺はとても賑やかになります。もうしばらくすると、スバールバル諸島などさらに北を目指す鳥たちがトロムソを中継点として通過していきます。中でも小さなユキホオジロなどは群れで飛来し、ひと月弱ほどトロムソ周辺に留まり、たっぷり栄養を蓄えた上で旅立っていきます。写真は左上から、岩陰で休む冬毛のライチョウ、騒ぎ立てるカラスを無視するオジロワシ、ウミアイサの夫婦、餌台にやって来るベニヒワ、ウソの夫婦、北への旅に備えるユキホオジロ。