氷河とフィヨルドで知られるノルウェーは、東部の雄大な森林地帯、西部の険しい山岳地帯、北部のツンドラ地帯など地域によって自然の姿が大きく変わります。西ノルウェーのフィヨルド観光、北ノルウェーのオーロラ観光をはじめ、他の北欧諸国と同様に民主的な福祉国家であるノルウェーは、小国ながら世界の先端をいくシステムが多く導入されています。北ノルウェーは、先住民であるサーメ人の文化が色濃く残っており、フィンランドからの移民によるクバーネ文化、バレンツ海経由でのロシアとの交流から生まれたポモール文化など、多様な文化が入り混じったところでもあります。人口約7万5千人である北ノルウェー最大の都市トロムソは、現在100以上の国籍を持つ人が暮らしています。

 弊社では、北極圏の自然に触れ、地元の文化を体験するための旅のお手伝いをするとともに、ノルウェーにおける産業・研究・教育などのコーディネートや文献紹介をしております。

 北極圏ノルウェーでは、森林限界 が約400mと低く、日本の高山に匹敵する動植物が人家の庭先や浜辺で見ることができ、軽い散歩で高山の雰囲気を楽しむことができます。登山やスキーの経験がなくても、スノーシューを履いてオーロラを眺めながら冬の森を歩いたり、真夜中の太陽を浴びながら市街地近くの林や丘陵を散策したりなど、北極圏の自然に直に触れその魅力を満喫することができます。サーメ人によって放し飼いにされているトナカイは、柵の中で餌を与えられているわけではなく、野生のように野山を自由に歩き回っています。ときには、車道に出てきて交通渋滞の原因になることもありますが、車窓からトナカイを間近で見られる機会でもあります。トナカイのほかヘラジカ、キツネ、リス、グズリ、ヤマネコ、オコジョ、イタチ、ライチョウ、オジロワシ、フクロウ、ミヤコドリ、マガン、ハクチョウなど様々な野生動物が生息しています。

 先住民文化が色濃い北ノルウェーでは毎年、世界中の先住民族が集まる音楽イベントが開催され、北海道のアイヌ人も参加もありました。自然と文化の多様性が息づいています。

バイキング時代と同様な方法で作られる干鱈
バイキング時代と同様な方法で作られる干鱈

 ノルウェーは千年以上の歴史を持つ、ロフォーテン諸島の鱈漁によって国家を築いた漁業立国です。ロフォーテン諸島をはじめ、北ノルウェーの海岸線では、未だに伝統的な漁労風景が見られ、中世の漁村文化の面影をいまだに垣間見ることができます。漁労効率の向上から一時資源の枯渇が問題となりましたが、漁労体制の合理化と資源管理の徹底により、持続可能な産業としての漁業を再び発展させました。北海油田にはじまるノルウェー石油産業の台頭により、水産業による国家収入の割合は大きく減少しましたが、北ノルウェーにとっては水産業はいまだに重要な産業であり、タラの産卵場であるロフォーテン地域での油田開発計画は大きな社会議論に発展しています。