ノルド・リサーチは、ノルウェー、特に北ノルウェーを中心とした地域の産業・文化・自然等についての情報提供を行っています。ノルウェーにおける研究・教育などの視察やフィールドワークのコーディネート、関連文献の紹介・翻訳に加え、北極圏の自然に触れ地元の文化を体験するための旅行企画も行っております。


バイキング時代と同様な方法で生産される干鱈
バイキング時代と同様な方法で生産される干鱈

 ノルウェーは、千年以上の歴史を持つロフォーテン諸島の鱈漁によって国家を築いた漁業立国です。ロフォーテン諸島をはじめ、北ノルウェーの海岸線では、未だに伝統的な漁労風景が見られ、中世の漁村文化の面影をいまだに垣間見ることができます。漁労効率の向上から一時資源の枯渇が問題となりましたが、漁労体制の合理化と資源管理の徹底により、持続可能な産業としての漁業を再び発展させました。

 1970年代の北海油田にはじまるノルウェー石油産業の台頭により、水産業による国家収入の割合は大きく減少しましたが、北ノルウェーにとっては水産業はいまだに重要な産業です。バレンツ海では石油産業と漁業の共生に成功していますが、タラの産卵場であるロフォーテン地域での油田開発計画に疑問を呈する声は大きく、大きな議論に発展しています。

 北極圏ノルウェーでは、森林限界 が約400mと低く、日本の高山に匹敵する動植物が人家の庭先や浜辺で見ることができ、軽い散歩で高山の雰囲気を楽しむことができます。登山やスキーの経験がなくても、スノーシューを履いてオーロラを眺めながら冬の森を歩いたり、真夜中の太陽を浴びながら市街地近くの林や丘陵を散策したりなど、北極圏の自然に直に触れその魅力を満喫することができます。ノルウェーの先住民であるサーメ人によって放し飼いにされているトナカイは、柵の中で餌を与えられているわけではなく、野生のように野山を自由に歩き回っています。ときには、車道に出てきて交通渋滞の原因になることもありますが、車窓からトナカイを間近で見られる機会でもあります。トナカイのほかヘラジカ、キタキツネ、ライチョウ、オジロワシ、キョクアジサシ、ミヤコドリ、マガンなどが住宅地近辺からでも観測でき、フィヨルドにはネズミイルカやときにはザトウクジラが回遊してくる様子がみられます。

 先住民文化が色濃い北ノルウェーでは毎年、世界中の先住民族が集まる音楽イベントが開催され、北海道からアイヌ人が招待されたこともありました。トロムソではノルウェー語とサーメ語が併記されており、また国境地域ではフィンランド語、またはロシア語表記も多く見られます。、16世紀にさかのぼるフィンランドからの移民、クベン人、はノルウェーのマイノリティとしてその存在が認識され、ノルウェー北東端では国境周辺30km以内のノルウェー・ロシア住民はビザなしで行き来することが可能です。近年ではアジアやアフリカからの移民も増え、多様な文化が形成されています。