サーメ人は、コラ半島からノルウェー北東部に居住する東サーメ(skoltesamer)や、沿岸部に居住する半農半漁の生活をしている海のサーメ(sjøsamer)と内陸部でトナカイの遊牧を営む山のサーメ(fjellsamer)など地域によって生活形態が異なり、同じサーメ語でも地域によって言葉が少し異なります。海のサーメはノルウェー人との交流の機会も多く、ノルウェー社会との適応も比較的容易に行って来ました。一方、山のサーメは北の大地を季節とともにトナカイと移動し、他の民族との交流も限られて来ました。1850年から100年続いたノルウェーの同化政策によってサーメ文化は一時衰退しましたが、現在ではサーメの幼稚園や学校教育にサーメ語を用いるところもあり、文化の継承が続いています。


イベント

 ノルウェーでは毎年2月6日のサーメの日を挟んだ週には、各地でサーメ文化に関連する催し物が企画されます。トロムソでは2月前半にサーメ週間としてコンサートやトナカイレースなどが開催されます。

2017年のトナカイレースの様子 -----> https://www.nrk.no/video/PS*296100

 

 北部先住民族博物館のあるコフィヨルド市のマンダーレン(Manndalen)では、毎年7月に先住民族音楽祭リドゥリドゥ(Riddu Riđđu)が開催され、サーメ文化の紹介と共に、世界各地の先住民の音楽を聴くことができます。イベントのテーマは毎年代わり、2013年には日本のアイヌも招待されました。


音楽

 同化政策により一時は文化の継承が危機に見舞われたサーメ文化ですが、現在ではその価値が注目されサーメ語の普及サーメ独特の歌い方であるヨイクが人気を集めています。音楽界ではマリ・ボイネをはじめ、サーメ人の活躍が見られます。

 

マリ・ボイネ(Mari Boine、ノルウェー)

"I come from other side"  

https://www.youtube.com/watch?v=KD15yirwhW4&index=6&list=RD46WW3D5a_TU

 

ソフィア・ヤノック(Sofia Jannok、スウェーデン)

"This is my land"      https://www.youtube.com/watch?v=riXVuhlMNQA

"Irene"        https://www.youtube.com/watch?v=tU-np8zS4HQ&list=RD46WW3D5a_TU&index=2