スキーシーズン到来

2月に入ってようやく冬らしい気候となりました。連日の雪で除雪車はフル稼働、明るい時間も少しずつ伸びてきて、野外での活動時間も増えました。いよいよスキーシーズンの到来です。

 北ノルウェーには整備されたゲレンデはほとんどないので、スキーといえばクロスカントリーかバックカントリーが主流となります。トロムソ島は、東西方向10km、南北方向20kmあまりの小さな島で、島の中央を南北に縦断する遊歩道があります。冬には圧雪されてクロカンのスキーコースとなるので、冬にはこの道を使って通勤・通学する人たちは自転車でなくスキーを使うようになります。自転車で引くチャイルドトレーラーの車輪もソリに付け替えてスキー仕様となり、散歩の犬もご主人がスキーを履いているので全力疾走でついていきます。毎週水曜日には北ノルウェー各地でミニスキー大会が開かれ、よちよち歩きの幼児から小学生まで多くの子供たちが参加し、大人そこのけのクロカン技術を披露してくれます。

 トロムソには小さなゲレンデが一つあります。しかし、森林限界が400mと低いので少し丘を登れば格好の天然スキー場に事欠きません。地形図を見ながら自分の足で山を登り、好きなルートで降りてくるという、ある意味とても贅沢なスキーツアーが楽しめます。しかし、近年では温暖化のため雪の状態が不安定であり、以前

は安全だったところでも頻繁に雪崩が起きるようになりました。専門家によると、今シーズン初めは雪が少なくて気温が低かったため雪の表面に霜が降り、それが凍って氷の層が形成され、その後に大量の雪が降ったので、これまで以上に雪崩の危険が多いとのこと(写真 : 氷の層を調べる専門家、2月のNRKニュース記事より) 。雪崩が起きやすいのは傾斜が35度から45度の間で、上級スキーヤーに人気のある38度ほどの傾斜がもっとも雪崩の起きやすいところと言われています。今年1月にはトロムソ郊外でベテランスキーヤーが雪崩に呑まれてなくなるという事故もありました。今年はコロナのため、室内での運動が制限されていることもあってスキーの売れ行きが伸びているようですが、山に出かけるときには十分に注意する必要がありそうです。

写真下 : トロムソ郊外の鯨島、標高560mほどのところ (今年の写真ではありません)。