ノルウェー北極圏、ストールフィヨルド市

 

 ノルウェーは南北に長く、本土はほぼ北緯58度から70度の間に位置しています。ノルウェー北部は北極圏に属しますが、沖を流れる暖流のおかげで他の北極圏地域に比べると非常に温暖な気候となっています。ノルウェー北極圏最大の街であるトロムソの冬の平均気温は、せいぜい氷点下5度程度です。首都オスロからトロムソまでは飛行機で2時間弱、ノルウェーの南と北では距離も気候も東京と札幌ほどの違いがあります。

 石ノ谷 (Steindalen) は、トロムソから車で2時間ほどのところにある小さな市、ストールフィヨルド(Storfjord)、にあります。ストールフィヨルドとは「大きなフィヨルド」と言う意味で、その名の通りトロムス県で一番大きなフィヨルドであるリュンゲンフィヨルド(Lyngenfjord)の最奥部にあります。市の主だった集落は、フィンランドに続くシーボテン谷、スウェーデンに続くキット谷、シグナル谷及びリュンゲンフィヨルドの西側沿岸に散在しています。


 ストールフィヨルド市は、ラプランドの由来であるラップ人(サーメ人)やフィンランド移民(クベン人)が多く住んでおり、市のスローガンは「多様性は力」です。国境の市であるストールフィヨルドの市章(左図)は3つのケシの花であり、これらはノルウェー、フィンランド、スウェーデンの3国を表すとともに、ノルウェー、サーメ、クベンの3つの文化も象徴しています。